【備考】分類「辞書」。『〈漢英〉通用雑話[漢英通用雑話]』は、アヘン戦争直後の1843年に中国で出版された語彙集と会話文例集を内容とする英語学習書。序文によれば、中国人で英語がよくできる人がッ少なく交流の支障となっているため、特に商売に携わる人が英語を習得するためのテキストとして、貿易用語から重要な語句を選んで漢字英語に訳したものを1冊にまとめたものという。本書の特徴の一つは、英語の発音を漢字で表記した点で、しかも、「切」と「合」と命名された「反切」も示すなど、体系的・学問的に編集されていることである。なお、本書には「上巻」と明記するが、英作文や会話集としての下巻は未刊であり、その代わりに『The Chinese Speaker Part1』(1846)を著したものらしい(内田慶市「清国英語事始」、関西大学中国文学会紀要・第18号、平成9年)。